グース

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カナダの彫刻家ウィリアム・リッシュマン(ビル・リッシュマン)の自叙伝「ファザー・グース」を動物と人間の交流を描くことに大いに手腕を発揮するキャロル・バラード監督が映画化した作品。
実話をベースに、交通事故で母親を失った少女が、16羽のグースを500マイルも離れた南の越冬地まで連れていく旅を通して、永らく離ればなれに暮らしていた父娘の絆を取り戻すハートウォーミングな物語。

おすすめ度:3.8

グース 作品情報

基本情報
1996年製作/107分/アメリカ/原題:FLY AWAY HOME

スタッフ
監督:キャロル・バラード/脚本:ロバート・ロダット、ヴィンス・マッキュウィン/原作:ウィリアム・リッシュマン(ビル・リッシュマン)/製作総指揮:サンディ・ガリン/製作:ジョン・ビーチ、キャロル・バウム/撮影:キャレブ・デシャネル/音楽:マーク・アイシャム/美術:シューマス・フラネリー/編集:ニコラス・C・スミス/衣装:マリー・シルヴィ・デュヴォー etc.

キャスト
トーマス:ジェフ・ダニエルズ/エイミー:アンナ・パキン(アナ・パキン)/スーザン:ダナ・デラニー/デイブ叔父さん:テリー・キニー/バリー(グライダー仲間の青年):ホルター・グレアム/グレン(動物管理官):ジェレミー・ラッチフォード/ハッドフィールド司令官:マイケル・J・レイノルズ/キリアン博士:デヴィッド・ヘンブレン etc.

グース 主な受賞歴

映画賞受賞回(年度)受賞部門受賞者・受賞作品
アカデミー賞第60回(1997年)撮影賞キャレブ・デシャネル
放送映画批評家協会賞第2回(1996年)ファミリー映画賞グース

グース あらすじ(ストーリー概要)

ニュージーランドに住む14歳の少女エイミーは、自分も同乗していた自動車事故で母親を失い、10年間会ったことのない父親のトーマスに引き取られ、大自然の豊かなカナダ・オンタリオ州の農場に移り住むことに。

父親のトーマスは、彫刻を作る芸術家で、趣味はグライダーで空を飛ぶこと。そんな父にスーザンという恋人もいて、新しい暮らしになじめないエイミーは、自分の殻に閉じこもってばかり。そんなある日、エイミーは、森の中でグースの卵を発見し、父親に内緒で卵をふ化させる。16羽のヒナたちは“刷り込み”の習性によって、エイミーを“ママ”だと思い込む。16羽のグースの母親になってしまったエイミーに、いつしか笑顔が戻りつつあった。

しかし、冬になれば、越冬のためグースたちを南の地へと渡らせなければならない。グースのために協力するエイミーとトーマスは、グースたちの訓練を通じて、次第に理解と信頼の絆を取戻していく。そして、トーマスが仲間と作り上げた超軽量飛行機が完成。エイミーとトーマスは、16羽のグースを越冬させるため、ノース・カロライナを目指し、遥か500マイル(900km)南へと旅立った。グースたちを無事、南の地へ渡らせる事ができるのか。

グース 感想・レビュー(ネタバレ)

出演者、監督

アンナ・パキン(アナ・パキン)

エイミーを演じるのは、デビュー作品「ピアノ・レッスン」(1993年)であっさりアカデミー助演女優賞をさらったアンナ・パキン(アナ・パキン)。本作の制作当時は役柄と同じ14歳だが、母親に死なれ、10年間も会ったことのない父親との生活での孤独感、葛藤、そして絆を取戻していく微妙な心の変化を見事な演技で演じている。
可愛かった彼女、その後もホラー映画「ダークネス」(2002年)や「X-MEN」シリーズなど様々な役柄の映画に出演、キャリアを重ね、巨匠マーティン・スコセッシの「アイリッシュマン」(2019年)等、現在も活躍している。

ジェフ・ダニエルズ

エイミーの父親トーマス役のジェフ・ダニエルズもいい味を出していた。「カイロの紫のバラ」(1985年)で注目されたあの俳優だ。色んな映画に出てるけど、メジャー作品では、キアヌ・リーブスの同僚を演じた「スピード」(1994年)、クリント・イーストウッド主演の「ブラッド・ワーク」(2005年)等がある。本作では、髭モジャの少し変わった芸術家、娘との絆を取り戻そうとする役どころを見事に演じている。

キャロル・バラード

そして、メガホンを取ったのは、「ワイルド・ブラック 少年の黒い馬」(1979年)、「ネバー・クライ・ウルフ」(1983年)等、動物と人間の交流、共存をテーマとした作品作りに定評のあるキャロル・バラード監督
グースの渡りを通して、父と娘の絆を取り戻す心温まる本作でも、自然保護、環境破壊といった内容も盛り込みつつ、動物との交流、共存といったテーマを盛り込んでいる。

ウィリアム・リッシュマンの願い

16羽のグースたちを連れて、500マイル(900km)の旅ならぬ“渡り”に出た父娘の心温まる本作は、実話がベースになっています。カナダに実在の彫刻家ウィリアム・リッシュマン(ビル・リッシュマン)の自叙伝「ファザー・グース」を元に映画化されている。

“鳥と一緒に空を飛びたい”という単純だが誰もがやってみたい動機で始めた冒険だ。しかし、そこには、リッシュマン氏の切なる願いが込められていた。超軽量飛行機で先導することで渡り鳥を越冬地まで飛来させることで、絶滅の危機に瀕している貴重な渡り鳥を保存しようということだ。

当初はドキュメンタリー映画という話もあったこの映画の製作にもリッシュマン氏は携わっている。本作でのグースが飛行機を追って空を飛ぶシーンはリッシュマン氏の実際の指導によるものだ。

圧巻の空撮シーン

本作のグースが大空を飛ぶシーンは、圧巻の一言。このスケール溢れる素晴らしいシーンは、全て実写で撮影されている。合成は、ビル街をくぐるシーンとグースの一羽が飛行機にぶつかって落ちるシーンだけ。
臨場感に溢れ、ファンタジックな仕上がりに、20年以上前の初鑑賞した時は、口をあけたまま観てしまった。

現在では全てCGで製作されてしまうのだろうが。やはり、どんなに技術が進化し、あらゆる映像がCGで再現可能になったとしても、CGでは再現できない臨場感、何よりもそれを観る人達に感動を与えるという点で、CGは実写にはまったく敵わない

映画で越冬させたグースは、春にはカナダに戻っており、学術的にも成果を上げているらしい。

グース 実話・元ネタ

実話レベル

実話レベル:2.0 実話ベースで脚色

本作は、彫刻家ウィリアム・リッシュマン(ビル・リッシュマン)の自叙伝「ファザー・グース」を元に製作されているが、内容自体はオリジナル作品だ。本作のエイミーの父親トーマスが彫刻家であるのは偶然ではないでしょう。彫刻家としも木彫り作品、メタル彫刻、動物のフィギア、家具デザイン等、様々な作品を生み出しただけでなく、劇中のトーマス同様、飛行家、冒険家でもあった。

“自然に直線はない”という言葉を残したリッシュマンは、鳥と人が一緒に飛ぶという体験を初めて実現させた。自然を愛し、飛行家である彼だからこそ成し遂げられたのだ。

劇中、16羽のヒナたちが“刷り込み”の習性によって、エイミーを“ママ”だと思い込むシーン。本作の製作全般をサポートしたウィリアム・リッシュマン(ビル・リッシュマン)の元、実際に“刷り込み”を行っている。その後、リッシュマンがしっかりと自然に帰している。

グースと飛ぶことに成功したウィリアム・リッシュマン(ビル・リッシュマン)は、その後、鶴や白鳥などの渡りを教える事に挑戦したという。

そして、2017年12月30日、永眠した。

グース まとめ

本作は、子供と動物のふれあい、父と娘の葛藤・交流・絆、そして環境問題をも取り上げながらも、重く沈むことなく、暖かいタッチで描いている。
個人的には、子供たちが本作の様な作品を通して、こういった問題に興味を持って、自分たちで考えるきっかけになるよい作品であると思います。
公開当時、本作の日本での興行収入の一割は、日本鳥類保護連盟や研究所などに寄付されたという話も聞きました。
家族皆で観てほしい映画です。

グース こんな人におすすめ

  • 心温まる(ハートウォーミング)映画が好きな人
  • ファミリー映画が好きな人
  • 人間と動物の交流を扱った映画が好きな人
  • 家族、親子の絆を描いた作品が好きな人

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